形容詞

このような文の構造について学びます。It's nice to have you around.
He is up at seven.
Let's get going.
I'll be gone.
Get it done by tommorrow.
I want it checked.
I heard it said that he would join us.
You insert the paper face up.
You can do it hands down.
He is wearing it inside out.

目次
  1. 【形容詞の定義と種類】
  2. 【通常の形容詞 (a)】
  3. 【通常の形容詞 (b)】
  4. 【前置詞 + 名詞】
  5. 【現在分詞】
  6. 過去分詞】
  7. 【形容詞節】
  8. 【名詞によって修飾される形容詞】
  9. 【合成形容詞】
  10. 【主語付き形容詞】


  1. 【形容詞の定義と種類】

    理論的に言えば、「名詞を説明する語句」を形容詞の定義とするならば、"Something happened."の"happened"などは、明らかに"something"という名詞を説明してい るため、この英文法では「動詞」と呼ばれている語も形容詞と呼ばなければなりません。動詞を形容詞として捉えることによってより高い論理的整合性をもった英文の構造に対する洞察が得られるのですが、このことに関してはは別の場所で詳しく述べる予定です。ここでは次の6種類の形容詞について説明します。

    形容詞の種類
    通常の形容詞 (a)"happy", "expensive", "tall"
    通常の形容詞 (b)"around", "on", "up","home"
    前置詞+名詞"in the kitchen","at school", "on the road"
    現在分詞"running", "working", "interesting"
    過去分詞"satisfied","gone","interested"
    形容詞節"as I look", "the way I look",


    「形容詞節」を除く、上の5種類の形容詞は、通常、後に説明するように、名詞で修飾されたり(「名詞によって修飾される形容詞」参照),重ね合わせの法 則によって複数の形容詞が連なって合成形容詞(「合成形容詞])が 作られたり、主語である名詞が付けられた主語付き名詞(「主語付き形容詞」参照)として使われます。従って、上で扱う6種類の形容詞は、形容詞としての最小単位であると思ってください。

    《形容詞の用法》-- 修飾用法 vs.非修飾用法

    ここでの定義によれば、形容詞とは名詞を説明する語句ですが、説明の仕方には「修飾用法」と「非修飾用法(叙述用法)」の2種類に大別することができます。

    日本語においては「赤い」という形容詞を「花」という名詞を説明する場合には、「赤い花」という説明の方法と「花赤い。」という説明の仕方があります。前者のような説明の方法を「修飾用法」と呼び、後者の説明方法を「非修飾用法」と呼ぶことにします。実は、英語においてはこの2つの用法は日本語におけるほども形態的はに明瞭に区別はされていません。日本語ではこの2つの用法を語順によってはっきりと区別しているのに対し、英語では語順によって区別することはできないのです。というのは、英語では、修飾用法でも、非修飾用法でも語順は「名詞 + 形容詞」となっているからです。形容詞が たまたま一語から成る場合のみ「形容詞+名詞」という修飾用法が許されているだけで、形容詞が名詞の前に置かれている場合は修飾用法であるということが形態的に区別されるのですが、形容詞が2語以上の語から成る場合は、「名詞+形容詞」という語順になり形 態によっての区別が難しくなります。英語では連続的に非修飾用法から、修飾用法に変わっていくのに対し、日本語では非連続的に変わっていくということが2つの言語の間の種々の違いとして表れてくるのです。

    《S+V+C文型とS+V+O+C文型》

    このS+V+C文型におけるC (=主格補語)と S+V+O+C文型におけるC(=目的格補語)非 修飾用法の代表的な例です。次の表を見て、下線部分の形容詞に注目してください。

    修飾用法S+V+CS+V+O+C
    通常の形容詞(a)happyman She lookshappyIt makes me happy
    通常の形容詞(b)the only thing aroundIs anybody around?Nice to have you around
    前置詞 + 名詞a cat in the kitchenA cat is in the kitchen.You find a cat in the kitchen.
    現在分詞working peoplePeople are working.We have people working here.
    過去分詞interested groupThey all look interestedHow do we get them interested?
    形容詞節the president as we know he isHe is not as we knew he was.I don't find him as I knew he was

    下線部分は同じように使われていることに注意してください。それゆえ、この6種類の語句は全て形容詞としてみなすのです。同じように使われ、同じ機能の持つものは同じ名称で呼ぶべきなのです。次に個々の形容詞について、その問題点を指摘しておきます。 

    1. 【通常の形容詞 (a)】

      "happy", "small", "ready"などのように、辞書に形容詞として記載されているもの を「通常の形容詞(a)」と呼ぶことにします。多くの英語の先生方はここに紹介した6種類の形容詞のうちで、この形容詞だけを形容詞として認めています。その理由は単純で、「辞書に形容詞と記載されているから。」です。重要なことは、次に説明する5種類の形容詞をはじめ、その他の語句もこの「通常の形容詞(a)」と機能的に同じであるというこ とを認めるということです。

       
    2. 【通常の形容詞 (b)】

      It's nice to have you around.
      He is up at seven.

      S+V+C文型、S+V+O+C 文型で使われる限りこの形容詞は「通常の形容詞 (a)」と全く 変わらないのですが、修飾用法の場合、この形容詞はどのようなことがあっても名詞の前に置かれないという点で、「通常の形容詞(a)」とは異なっています。
      例1)
      次の S+V+C 文型の文を見てください。

        He is happy.---- 通常の形容詞(a)
        He is around.--- 通常の形容詞(b)

      ”happy"と"around"は全く同じように使われているにもかかわらず、学校文法では、"around"を絶対形容詞としては認めないのです。この "happy"=「幸せである」という形容詞 としての意味があるのと同様 "around"には「存在する」という意味があるということを 絶対認めようとはしないのです。従って、日本の英語学習者で「彼はいますか?=Is he around?」、「君がいてくれてよかった。= Nice to have you around.(目的格補語)」 のような英語らしい英語を使える人の数は急激に減ってしまうのです。
      とにかく、同じように使われていれば、同じ名称で呼べばよいのです。

      例2)
      次も S+V+C文型の文です。
        He is happy.
        He is home.

      この "home"を学校文法では「家に」という意味の副詞であるという説明をしていますが 、本書では「家にいる」という意味の形容詞となります。つまり学校文法では日本語の「”いる”=”ある”=”存在する”」という部分は英語では"be"動詞で表されているという考え方をしているのです。従って、上の2つの文をここでは「勝手に」S+V+C文型の文 として分類しましたが、学校文法では、このような前提が既に許しがたいのです。学校文法では、"He is home."はS+V+C文型ではなくS+V文型の文で "home"は M(=修飾語)という扱いを受けているのです。"be"が「です」という意味の他に「存在する」という意味があるというこの考え方は、本質的に「進行形には必ず "be"動詞が必要である」とか「受動 態には必ず"be"動詞が必要である」という考え方と同じで、何れも完全に間違っています。"be"には 「存在する」という意味があるという見方が誤りであることは、次の「前置詞+名詞」のところで証明します。

      例3
      学校文法では、次の文の下線部分を(通常の)形容詞としては見ていません。(=この文を S+V+C文型の文ではなく S+V 文型の文とみなしている。)
        I get up at 7.

      本書の見方は

      I ---------  S
      get ---------  V
      up ----------  C

      ですが、学校文法では 

      I ----------  S
      get up ------  V

      という見方をしています。

      つまり、本書では "I get up."という英語の直訳は「私は起きている状態になる。」であり、それを自然な日本語に言い換えれば「私は起きる」ということになるという考え方をしています。次の表を見てください。

      ”〜という状態です。"”〜という状態になる" "〜という 状態が続く"
      I am busy. I get busy. I keep busy.
      He is around. He comes aroundHe sticks around.
      The TV is on. The TV comes on. The TV remains on.
      He is home. He gets home.He stays home.
      He is up at sick.He gets up at six. He stays up all night.

       この原理が理解できていないために、「私は7時に起きる。」という意味の英語である "I get up at seven."を言うことができても、「私は(6時に起きるので)7時には起き ています。」という意味の、"I am up at seven."という非常に簡単な文さえ作ることが できないという英米人には考えられないことが日本で起こっているのです。もちろん、このことを指摘しても、「そのようなことは習わなかった。」とか「文法書には記載されていない。」とか「英米の言語学者はそのような問題を取り上げたことなど聞いたことがない。」等と言って、英米では誰でも使っているこのような文の存在すら否定し続けるのです。"I get up."と"I am up."の違いが分からないということは、"I am sick." と"I get sick."の違いが分からないということと同じです。

        例4 次の S+V+O+C文型の文を見てください。

        You turned the TV on.
        You put the sweater on.

      この "on"はどちらも、通常の形容詞(b)です。この "on"を目的格補語として使われてい る形容詞としてみることができないために、次のような簡単な S+V+C文型の文すら作ることができない人が多いのです。

        「テレビがついています。」 --- The TV is on. (=We have the TV on.)
        「テレビがつきました。」------ The TV came on.

    3. 【前置詞 + 名詞】

      この形容詞に関して、本書と学校文法と間には次のような大きな違いがあります。

      学校文法 本書
      She is in the kitchem. S+V
      M=in the kitchen
      「台所に」
      S+V+C
      C=in the kitchen
      「台所にいる」
      You put it on the desk. S+V+O
      M= on the desk
      「机に上に」
      S+V+O+C
      C= "on the desk"
      「机の上に置く」

      "in the kitchen"や"on the desk"のような文の最も重要な部分を、こっそり導入した修飾語(=M)という要素で片付けてしまうのが、学校文法です。
      "in the kitchen"は「台所にいる」という意味の形容詞です。学校文法は "in the kitchen"の意味を「台所に」と主張しているということは、"is"が「いる」と意味であると主張していることになり、また "in"を”に”という意味であると主張していることになり ます。学校文法によれば、"He is happy."という場合の "is"と "He is at the station."という場合の "is"は異なるものであるということになっています。前者は「不完全自動詞」で「〜です」という意味で,後者は「存在する」という意味の「完全自動詞」である ことになっています。しかし "be”動詞に「存在する」という意味の完全自動詞とみなせば、次のような矛盾が生じてきます。

      • 「彼はいますか?」に相当する実際に使われている英語は”Is he?"ではなく、"Is he there?"や "Is here around?"である。
      • "a cat in the kitchen"という英語の意味は「台所にいる猫」であるが「いる」という意味はどこから生じたのか?

      という疑問に学校文法は論理的に答えなければならないのです。もちろん、これまでに「"a cat which is in the kitchen" の "which is"が省略されているのだ。」などという支離滅裂な説明がなされてきましたが、「存在する」という意味を持っていると主張するほど重要視してきた"be"動詞を、なぜこのようにいとも簡単に「省略(=捨て去る)」ことができるのでしようか?「重要なもの」ということの意味が全く分かっていないようです。
      ここで、学校が使う「"which is"が省略されている」という言い逃れは、後に説明する「現在分詞」や「過去分詞」の場合にもよく使われています。
      また、"You put it on the desk."などの文において "on the desk"を「机の上に」とい う意味であると主張する学校文法は、"put"という英語の"verb"を「置く」という意味の 日本語の動詞に対応するものであるという重大な誤りを犯してしまっているのです。"put"が日本語の動詞に対応していないことは、次の英文を比較すればすぐに分かることです 。

        You put it on the desk.
        You placed it on the desk.
        You laid it on the desk.
        You tossed it on the desk.

      これらの文は全て「それを机の上に置く」という意味であり「どのようにして置くか」という置き方を英語では、異なった verb で表しているのです。「机の上に置く」というのは実は"on the desk"の「意訳」で、直訳は「机の上にある状態である」です。英語の "put"の本当の意味は「プッと」であり、"You put it on the desk."の直訳は「あなたはプッとそれを机の上にある状態にした。」であり、より自然な日本語で言い換えると「あなたはプッとそれを机の上に置いた。」となるのですが、日本語では、このような日常、誰もが使っている日本語を否定する傾向があり、「プッと」いうような「はしたない」言葉がとり除かれてしまい、英語との対比ができなくなってしまっていることに気が付かないのです。
      さらに、英語の verb が日本語の「擬態語」に相当するということより、もっと重要なことである以下のことをこの文から学ばなければならないのです。
      学校文法が "You put it on the desk."を S+V+O文型の文として扱うということは、この文が日本語と次のような対応をしていると思っているからです。

      英語日本語
      You put it on the desk.あなたは机の上にそれを置く。
      You= あなたは
      put= 置く
      it = それを
      on = 机の上に
       
      つまり、学校文法では英語では「あなたは」+「置く」+「それを」+「机の上に」という 日本語とは異なった語順になっているということを主張しているのです。
      しかし、語順が異なる本当の理由は、語順が異なるような対応関係を勝手に選択して いるからです。既に述べたような"put"=「置く」という誤った対応関係から出発すれば、日本語と英語は語順が全く異なるように見えるだけであり、本書が主張するような対応関係に従えば、この場合(S+V+O+C)のように英語と日本語の語順がほぼ一致することも あるので す。

      英語日本語
      You put it on the desk.あなたはプッとそれを机の上に置く。
      You= あなたは
      put= プッと
      it = それを
      on the desk = 机の上に置いてある状態にする

      このような対応関係に従えば、英語も日本語も同じ語順になるのです。学校文法の対応関係が正しければ、日本語と英語の語順が異なっていても仕方がありませんが、対応関係が矛盾だらけのまま、語順も異なったままにしておく意味はないのです。ただ、あまりにも"be"=「存在する」、"put"=「置く」などの、「英語のverb = 日本語の動詞」という対応関係に固守する理由として、「日本語と英語は語順が異なったものであって欲しい。」という無意識的な願望が日本の英語関係者に共通したものであるということも考えられます。つまり、正しいと思う対応関係に従って語順を調べたら、日本語と英語の間の語順が異なっていたのではなく、日本語と英語の語順が複雑になるように対応関係を選んだのではないかと思われるのです。古代の日本に渡来した中国語という外国語から、現代の英語という外国語に至るまで、日本人は一貫して「日本語と外国語では語順が反対である。」という前提を全く疑おうとしてこなかったようです。漢文の読み方の体系も、現在の日本において英語学者がほぼ確立してしまった英文の読み方の体系も、語順が異なることを前提とした体系になってしまっています。もちろん、日本語と英語は異なった言語ですから、正しい対応関係に従ったとしても、語順がいつも同じとは限りません。例えば、関係節の項で説明してあるように、形容詞が名詞を修飾する場合は、日本語では「私が読んでいる本」のように形容詞(=連体修飾節)である「私が読んでいる」が名詞の前に置かれるのに対し、英語では "the book I am reading"のように、形容詞 "I am reading"が名詞の 後に置かれるような語順が反対になる場合もあります。最近一部の自称現代的な英語教育者達が「頭ごなし的な訳」を提唱し、その例として関係節の訳し方を日本語と同じように "the book I am reading was written...."などは 「その本、そしてその本を私は読んでいる、は.....。」のようにすべきであると言っているのですが、よりによって関係節 は日本語と英語の語順が同じであることを示すには、最も都合の悪い例であるということに気が付いていないのは滑稽です。日本語と英語の順番が同じであることを強調したいならば、S+V+O+C 文型で C=「前置詞 + 名詞」の場合などを例にあげればよいのです。

       
    4. 【現在分詞】

      Let's get going.

      現在分詞はまだ動作が完了していない状態(進行の意味)を表す形容詞と、進行の意 味を表さない(受身の過去分詞と反対の意味をもつ)形容詞とが存在します。次の表にこのことを示しておきます

      進行の意味を持つ現在分詞進行の意味を持たない現在分詞
      修飾用法working people
      sleeping baby
      exciting news
      boring lesson
      S+V+CHe is working.
      Let's get going.
      The book is interesting.
      He is shocking.
      S+V+O+CI see the car coming.
      You have your birthday coming soon.
      I find this book interesting.
      I find him shocking.


      学校文法では「進行形 = be + 〜ing」と教えていますが、上の表でも分かるように、現 在分詞が進行の意味をもっている場合は、"be"など無くとも進行の意味がなくなることはありませんし、逆に現在分詞に進行の意味がなければ, "be + 〜ing" の形をしていても 進行の意味は全くありません。また、「進行」という日本語の意味を無視し、進行の意味などなくとも, "be+ 〜ing"という形態を「進行形」であると主張し、「進行」という言 葉が使われているからといって、進行の意味を表すものでないという人達もいます。このごまかしは、過去分詞の場合にも見られ、「受身の意味を表さない受身」という考え方をする人まで出てきているようです。結局、進行の意味がなくとも進行形であると主張したり、進行の意味があっても "be"が使われていなければ進行形でないと主張しているのが 学校文法です。しかし、本当は「進行形とは?」と先生に質問されたら「〜ing」と答えておけばよいのです。

      《"be" + 〜ing という表記の意味》

      これは、"〜ing"は "verb"ではなく形容詞であるという英文法という分野における表記法であり、決して "be"を使いなさいという意味ではありません。受動態の場合も "be + p.p." と表記されていますが、"be"を使わなければならないという意味ではなく、p.p.(過去分詞)は形容詞として使われるという意味です。"a book" と表記されているのを見て、「"book" の場合は必ず "a" を付けるのだ。」と思い込んでしまうのと同じ間違いです。英語の勉強はどれだけ真似ができるかが勝負ですが、ここまで真似をする必要はありません。


      《論理学上の誤りについて》

      「be + 現在分詞」の文は確かに進行形ですが、上で説明したように、進行形は 「be +〜 ing」ではありません。「日本人は人間である。」が正しいからといって、その逆の「人間は日本人である。」という文が正しいことは自動的に保証されないのです。言葉の専門家ともあろうものが、この全く意味の異なる文の区別をつけることができないらしいのです。本書では「進行形とは be+〜ingである」ということを否定しているのであって、「be + 〜ing は進行形である」ということを否定しているのではありません。ただ、他にも進行形がありますよと警告しているだけです。

    5. 【過去分詞】

      I am finished.
      I'll be gone.
      Get it done by tommorrow.
      I want it checked.
      I heard it said that he would join us.

      《本来の過去分詞=完了状態を表す形容詞》

      過去分詞はある物(者)がある動作が完了したときの状態を表す形容詞です。
      例えば、"finish"という動作を完了した状態を表す形容詞は "finished"であり, "go"と いう動作が起った後の状態を表す形容詞は "gone"ということです。"marry"すれば"married"な状態になるのです。そして、このような形容詞は、他の形容詞と全く同じように、 修飾用法や非修飾用法で使われるのです。

      finishgomarry
      修飾用法finished jobdays gonemarried man
      S+V+Cの主格補語 I am finished.
      I got finished.
      He is gone.
      I'll be gone.
      She got married.
      She looks married.
      S+V+O+Cの目的格補語I found him gone.
      I want him gone.
      I don't want to see her married.

      学校文法はこの「完了を表す」過去分詞をどうして説明してよいか全く分からないようです。日本では「have + P.P.」の形になって初めて「完了」であると頭で機械的に理解す るように訓練されているため、過去分詞が単独で使われた場合は何も感じないようになってしまっているようです。例えば "gone"と聞けば"have"などなくとも「いなくなった」 という完了の意味の形容詞として感じなければならないのです。
      次に、ここまでの説明を聞き、「それではなぜ過去分詞が完了の意味を表すのか?」と反論したくなる人が多いのではないでしょうか? この質問に対して、私は次のように問返します。「では、"have + 過去分詞"がなぜ完了を表すのですか?」。日本の英語学習者 の欠点である「不思議なことは無批判に受け入れ、自明なことには疑問を持って」しまう習性がここでもみられるのですす。もう一度この2つの事柄を並べて比べてみて、どちらが不思議な事柄であるかを判断してください。

      当たり前のこと不思議なこと
      イギリス人は英語を話すアメリカ人が英語を話す
      "Is this ...?"の答えは"Yes,this is..."である"Is this ...?"の 答えは "Yes,it is ..."である
      "do it"は名詞"to do it"は名詞
      過去分詞は完了を表すhave + 過去分詞は完了を表す

      イギリス人が英語を話す理由を説明できないのと同様に、過去分詞が完了の意味を表す理由は説明不可能です。「have + P.P.」がなぜ完了を表すのかという理由は、P.P.が 完了を表す形容詞であるという事実から説明可能なのです。それはちょうど、イギリス人が英語を話すという事実からアメリカ人が英語を話す理由を説明できることと同じです。
      日本では「文法に関してウルサイ」人に限って、"I'm gone."や I'm finished."などの 英語を避けている傾向があり、何十年も英語を勉強しているという人達でも、そのような英語など見たこと、聞いたことがないと言って開き直ってしまう場合もあるのです。私のように理論化までする必要はありませんが、せめて、英米人が日常頻繁に使っている表現をそのまま真似るくらいのことはして欲しいものです。「英語はネイティブからでなければ」と言って日本人から学ぶことを軽蔑する人達も、結局、昔日本人から教わった"完了 =have + p.p."にとらわれてしまって、英会話学校から海外留学に至るまでの本物の英語に触れる絶好の機会を、自分の既に持っている知識の確認する場所として使っているだけなのです。Time誌を読もうが、Newsweek誌を読もうが、このような「自分の見たいものだけしか見ない」という態度を改めない限り、少し難しい単語を覚えるだけで、得るものは何もありません。目の前に圧倒的な証拠を突き付けられても、それを否定し続けるのが過去そして現在の悲惨な情況を生みだしたこの民族の特徴がこんなところにも顕れているようです。
      一般の文法書や、学校の教室では、He is arrived. She's gone.等のように "have"が使われない「完了形」については次のような白痴的な説明がなされているようです。

        Q: 「先生、He is arrived. や She is gone. 等の場合はなぜ "have"ではなく、"be"動詞が使われいるのですか?」

        A: 「"arrive"や "go"などの往来を表す動詞の場合は, "have"の代りに "be"を使う場合があるからです。」

      これが、説明として通用しているほど英語の世界というのは気楽なところなのです。「なぜ三角形の角度の和は180度になるのですか?」という質問に対して「三角形の角度の和は180度になるからです。」と説明する数学の先生は存在しないはずです。

      《過去分詞の発達した形態ー 受身の意味を表す形容詞》

      次の二つの文の "the job"の状態を想像してください。

        The job finished.---- (A)
        I finished the job.---(B)

      (A)の文から "the job"の状態は "finshed"という形容詞で表されることは既に説明しましたが、この"the job"の状態は、実は(B)における "the job"の状態と同じはずです。このことから、verbの目的語の状態を表す形容詞はそのverbの形容詞であるという新しい認識が経験によって生まれてきたと思われます。つまり、この時点で初めて、受身の過去分詞が発生したということです。
      つまり、"finish"すれば "finished"になる本来の完了の認識から あるものを"finish"すれば "finished"な状態になるという受身の認識が生まれたのです。とにかく、現在の過去分詞には本来の完了の意味と、他動詞の場合の受身の意味があることを理解してください。そして、受身の過去分詞は他の形容詞と同様に使われます。学校文法が主張しているような「受身=be + p.p.」などは完全なウソです。

      通常の形容詞受身を表す過去分詞
      修飾用法 happy people satisfied people
      S+V+C(V="be")They are happy.They are satisfied
      S+V+C(V="get")They get happyThey get satisfied
      S+V+C(V="look")They look happyThey look satisfied
      S+V+O+C(V="see") I want to see them happy I want to see them satisfied

      残念ながら、日本では上の "They are satisfied."だけが「受動態」とされており、ここに挙げたそれ以外の例は全て「beが使われていないから」という理由で受動態とは認められていないのです。
      また、他動詞の過去分詞のみが受身の意味をもつ形容詞となり、自動詞の過去分詞は本来の完了の意味しか持たないということは、これまでの説明で明らかですが、「受身=be + p.p.」を "He is gone."のような自動詞としての "go"にまでに適用し、「自動詞の受身」などという全く意味のない用語までつくりだすという粗暴な考え方まで出現しているのが現状です。そして、"be"が受身の不可欠な要素であると思い込むあまり、「命令文の受動態」ということに関して、学校文法は大きな誤りを犯しています。その前に「命令文の受動態」ということはどういうことかを確認しておく必要があります。
      次の命令文を、S+V+C (V= be)の受動態に変換してみましょう。
        (You) do it.(命令文)
        It is done(S+V+C文型の受動態).

      上の "It is done."は命令文ではなくなっていることに注意してください。この文を命令文にするためには、先ず主語を "you"にして、この内容を表現する必要があります。S+V+O+C文型を利用すれば、これを簡単に行なうことができます。
        It is done.
        You get it done.(S+V+O+C)
       
      あとは、命令文の通常の状態である、"You"を省略すればよいだけです。
      本書による「受動態」の定義によれば、この ”You get it done."は完璧な受動態なの ですが、学校文法は"be"が使われていないため受動態であるということを認めようとせず、滅多に使われない、そして、You do it. には意味的に全く対応しない、"You let it be done."を You do it. の受動態として日本の英語学習者に押しつけているのです。機械的にしか英語をとらえることのできない多くの日本人は、"You let it be done."が表している内容と"You do it."が表している内容が全く違うことを感じ取ることができないまま、このようなことを信じ続けているのです。そのため、"You get it done."などの非常によく使われる表現を知らない人が非常に多くなってしまっているのです。
      次のような S+V+C文型の受動態が S+V+O+C文型の受動態で表現される場合もあります。
      • It was said that he would join us.(S+V+C)
        =>I heard it said that he would join us.(S+V+O+C)
      • It is checked.(S+V+C)
        => I want it checked.(S+V+O+C)

    6. 【形容詞節】

      「関係節の拡張」で詳しく説明しているこの形容詞が 使われている例を示しておきます。
      ここで取り上げる、形容詞節は、"as I thought he was" と "the way I thought he was"のような "as ......”と "the way ....."だけです。
      次の表を見てください。

      as I thought he was the way he thought he was
      修飾用法 the man as I thought he was なし
      S+V+Cの主格補語 He looked as I thought he was. He looked the way I thought he was.
      S+V+O+Cの目的格補語 I did not find him as I thought he was.I did not find him the way I thought he was.

      (注意) I thought he was happy.のとき、happy=as I thought he was であるから、She looks happy.は She looks as I thought she was.という ことができます。上の表から分かるように、"the way ....."という形容詞には修飾用法 が存在しません。

    7. 【名詞によって修飾される形容詞】

      We are one phone call away.
      It's one click away.
      We started dancing 30 minutesinto the party.

      「形容詞を修飾する名詞」という考え方に馴染めない人が多く存在します。例えば、He is 20 years old. における"20 years old"は"old"という形容詞が20 years"という名詞によって修飾されているという明白な事実さえ認めることを拒否し続けているのです。多分どこかで「形容詞を修飾するものは副詞である」などといういい加減な知識が邪魔をしているのでしょう。「名詞」とか「副詞」のような文法用語の概念の区分(カテゴリー)、規定がなされていないために、名詞と副詞を無前提に同一区分に属するものとみなしてしまうと、このように明白な事実さえ認めることができない状態になってしまうのです。正しく用語を使うならば「形容詞を修飾する副詞として使われる名詞」と表現すればよいのであって、論理的な矛盾は全く存在しないのです。「イチロー選手は3番バッターでありかつ右翼手である」ということが全く矛盾しないのと同様です。ただし、野球の知らない人ならば「3番打者だから右翼手ではない」等というかも知れません。
      He is 20 years old.という文などは、「彼は20才である。」という日本語と単純に比較 し"years old"=「才」などと理解している人が案外多いのです。
      「形容詞を修飾する名詞」を具体的に説明する前に、形容詞には次のような種類があることを知っておく必要があります。(詳しくは「形容詞の定義と種類」 参照)

              
      1. 通常の形容詞
      2. 前置詞+名詞
      3. 現在分詞
      4. 過去分詞
      5. 形容詞節

      このうち、
      1. 通常の形容詞、
      2. 前置詞+名詞

      が名詞によって修飾される形容詞の大部分を占めています。

      《形容詞が通常の形容詞の場合の例》
      1. He is 6 feet tall -- (1*)
      2. The cylinder is 8 inches long, and 3 inches across.
      3. She is 2 cm taller than I am. (2*)
      4. He is 20 minutes late.
      5. We are an ocean apart.
      6. We are one phone call away. (3*)

      下線部分が形容詞ですが、少し解説をしておく必要があります。
      1. * He is 6 feet tall.

        この文と同じ意味に、He is 6-foot .という文がありますが、この場合、"6 feet" ではなく"6-foot"になっていることに注意してください。その理由は、6-foot は 6 feet tallという意味の形容詞だからです。英語の形容詞には複数形はありません。


      2. * She is 2 cm taller than I am.

        日本の英語学習者はこの通常使われる表現ではなく、She is taller than I am by 2cm.という難しい表現の方に馴染みがあるようです。繰り返しますが、誰でも知っているような基本的なことは英文法には記載されないことが多く、極論すれば、知らなくてもよい言語の本質にとって重要でない事柄だけが記載されているのです。あまり使われない表現などはやはり知らない人が多いため、文法書にそのことが記載されるのです。このように、誰でも知っていることを知らないから、本物の英語に近づけないのです。


      3. * We are one phone call away.

        「私達は電話一本分離れている。」ということは電話一本で(お届けいたします。)」という意味なる英語の発想です。コンピュータソフトに関する文などでよくみかける、"It's one click away."「クリックするだけです。」等と同じです。


      《形容詞が前置詞+名詞の場合》

      1. The satellite is in the orbit 35,000 feet above the equator.
      2. Insert the wire halfway into the hole. ----- 1*
      3. It's three minutes to 10.
      4. It's 20 minutes past 9. -------------------2*
      5. We started dancing 30 minutes into the party. -----3*

      下線部分が形容詞ですが、少し解説しておく必要があります。

      1. * Insert the wire halfway into the hole.

        まず"into the hole" という部分が目的格補語となっている形容詞として捉える必要があります。目的語は"the wire"です。この形容詞が"halfway"という名詞によって修飾され ているのです。 "halfway"の代わりに"all the way",や"3cm"などの名詞を使えば次のようになります。

        Insert the wire all the way into the hole.
        (ワイヤーを穴に完全に挿入してください。)

        Insert the wire 3 cm into the hole.
        (ワイヤーを3cm穴に挿入してください。)

      2. * It's 20 minutes past 9.

        この表現も、He is 20 years old.同様よく知られている表現ですが、"20 minutes"とい う名詞が"past 9"という形容詞("past"は前置詞)という見方をする人はそう多くありません。「年令の表現の仕方」、「時刻の表現の仕方」として覚えているだけで、構造的な理解ができていないため応用ができないのです。

      3. * We started dancing 30 minutes into the party.

        「パーティが始まって30分後にダンスが始まった。」という意味ですが、日本人の英語学習者にとって "dancing" と "30 minutes"の間に前置詞のようなものが省略されているような感じがするらしく、「30 minutes の前に何が省略されているのですか?」という質問をよくしているようです。これは、「前置詞+名詞」が形容詞として機能するということを理解せず、英語の前置詞を日本語の助詞(てにをは)のような情報の伝達において補助的な(=無くともよい)機能しかもっていないという、前置詞軽視の態度に由来するものです。このことが理解できていない人がつくることのできない英文に次のようなものがあります。

        3 minutes after his arrival, they left.

        つまり、"3 minutes"の前に何かが省略されている感じがするらしいのです。たまたま、 「3分後に」等という場合に、"after 3 minutes"という言い方があるため、「彼が到着した3分後」という場合は、全く別の発想で表現されるということなど思いもよらないのでしょう。

    8. 【合成形容詞】

        She is cooking.
        She is in the kitchen.

      上の2つの文に「重ね合わせ・省略の法則」を適用すると、
        She is cooking in the kitchen.--

      となりますが、下線部は "cooking"(現在分詞)という形容詞と"in the kitchen"(前置詞 + 名詞)という形容詞から成っているます。このように複数の形容詞が単純に並べられ て形容詞を合成形容詞と呼ぶことにします。そして、基本的には(A)と(B)の意味は同じです。
      さらに、厳密に「重ね合わせ・省略の法則」を適用すると、次のようになります。
        She remained calm with her friends in the room.

      という文の下線部分は形容詞であるということができます("she"という名詞を説明し ているから。そして、この形容詞は、次のような複数の形容詞に分解できる「合成形容詞」であるということができます。

        She = remained
        She = calm
        She = with her friend
        She = in the room

      ここで注意しておきたいことは "She = remained"となっているように、"remained"を形 容詞として扱っていることです。英文法の先生達はこのような扱いをみて、「動詞と形容詞の区別さえできない」と言って恐らく馬鹿にするでしょう。しかし、形容詞の定義に従えば、やはり動詞は形容詞なのです。英文法の先生方は「動詞」とか「形容詞」などの用語によって表されている概念がすべて相互に排他的なものであるということを前提として議論し、動詞は形容詞に包含される概念であることが理解できていないようです。「動詞という形容詞」という概念は彼らの理解を越えてしまっているのです。

      《合成形容詞の見方》

      合成形容詞を複数の個々の形容詞に分解したとき、文末に一番近い形容詞が最も基本的な意味を表しています。そして、文頭に一番近い形容詞が最も微妙なニュアンス的な情報(つまり、少々無視してもよいもの)を伝えています。上の文では "in the room"が最も基本的な情報を伝え、"remained"は高級で微妙なニュアンス(つまり、無視可能な情報)を伝えています。従って、上の文は基本的に "She = in the room."で表されています。そ して、通常は各形容詞の間には意味的な矛盾は存在しませんが、仮に、同時に成立しないような場合でも、文末に近い形容詞の意味が優先します。

        She climbed down the mountain.

      という文の下線部分は、次の形容詞に分解できます。
        She = climbed
        She = down the mountain

      "climbed"と"down the mountain"には意味的に矛盾していますが、この場合は「登山」ではなく、文末の "down the mountain"が優先され、「下山」ということになります。

      《C'(=副詞句)構文との違い 》

        She is cooking. --- (1)
        She is in the kitchen. ---(2)

      上の二つの文は重ね合わせの順番によって
        She is cooking in the kitchen. --- (1)+(2)
        She is in the kitchen, cooking.--- (2)+(1)

      この二つの文の下線部は両方とも「合成形容詞」と見なしても基本的な意味において差し支えないのですが、(1)+(2)の場合の "in the kitchen", (2)+(1)の場合の "cooking"な どが、その文において省略してもよいものという主観的な判断がなされたときは、それをC'(=副詞句)と呼ぶことにしています。「主観的」という意味は人によってその判断が異なることがあるということです。例えば、"She is at the station."のように私が S+V+C文型であるという文を S+V文型であると主張する学校文法を敢えて弁護するならば、次のようになります。

        She is at the station.
       
      の下線部分は "is" という形容詞と,"at the station"という形容詞から成る「合成形容 詞」であるとみなすことができますが、学校文法のように"at the station"という部分を省略できる(=残された "She is."は「彼女は存在している。」という意味の文として十分機能している)と「主観的」に判断するならば、"at the station"は無くてもよいもの、副詞句となり、上の文は S+Vの文になります。

      それに対して、本書では、"at the station"という形容詞は省略不能である(残された "She is." という文は意味をなさないから)と主観的に判断しているため、"is at the station"を「合成形容詞」とみなし、"at the station"を副詞句とはみなしていないので す。
      断っておきますが、学校文法を弁護したということは、実際、学校文法が上の理由で "at the station"を副詞句であると判断しているわけではありません。彼らが "at the station" を副詞であるという理由は、"She is at the station."の日本語訳である「彼女は駅にいる」をみて、"at the station"=「駅に」という意味であることを勝手に決めつけ(本書では "at the station"の意味は「駅にいる」であることを思い出してください )、しかも、日本語において「駅に」という部分が副詞として機能しているというから、それに対応する "at the station"も副詞であると言っているだけなのです。これは、英文を分析しないで、その訳文である日本語を分析してしまっているという大きな方法論上の間違いを犯していることになるのです。
      (国文法ではなく)英文法において「"〜は"や "〜が"を主語という」などという説明をして何とも思わないという無神経さですから、このような間違いをしないということを期待する方が悪いのでしょう。
      合成形容詞を構成する複数の形容詞の一つの形容詞を取り除いたり、その形容詞を他の形容詞から分離(例えば、She is in the kitchen,cooking.を Cooking,she is in the kitchen.に変える)してもよいと主観的に思うことができれば、その形容詞( この例では、"cooking")はC'(=副詞句)ということになります。実際の英文の補語(主 格補語、目的格補語)のほとんどは「合成形容詞」や副詞句になっていまます。次の例によってそれを確認しておきましょう。

      1. The TV is left turned on.

        The TV = is
        The TV = left
        The TV = turned
        The TV = on

      2. You come on over in here.

        You = come
        You = on
        You = over
        You = in
        You = here


      《解説》

      1.この合成形容詞を構成する形容詞の中で文末に一番近い、"on"がこの文の基本的 な意味を決定しているということを理解してください。このことは次の二つの文を比較すればすぐに分かることです。どちらが、情報をよく伝えているでしょうか?

        The TV is on.
        The TV is left turned.

      明らかに "The TV is on."のほうが "The TV is left tuned on."に近いことが分かりま す。そして、The TV is left turned. という文は「テレビが回転した状態のままになっ ている。」という意味に変わってしまうため、"on"は省略できないと判断するのが常識ですから、このときの "on"は副詞句ではないということが分かります。また、"left"や"turn"はこの規準を適用すると、副詞句になるはずです。

      2. "in here"という部分を見て、日本の英語の先生方は「"前置詞 "in"の次は名詞でなければならない。」と言って、英米人が実際によく使う英語が文法的に正しくないということを主張しているようです。英語を学ぶ基本は「英米人が使う英語を受け入れ、そのまま使う。」ということです。この基本態度がこの国では崩れてしまって、彼らの英語に文句をいうという滑稽極まりないことが起こっているのです。
      日本の英語学習者のほとんどが、"I live in here."という英語を使うことを拒否してい る状態なのです。時々、このことに悩む学習者が、英文法の権威の先生に質問をしても、「文法的なことにはこだわらずに、英会話を勉強しましょう。」のような解答をするだけなのです。このようなアドバイスは「文法的間違いを恐れずに...」というあの陳腐な低 俗な英会話スクールの宣伝文句と同じで、正しい英語を使いたいと思っている者にとっては、"I live in here."を思い切って使えなくなってしまうのは当然です。自信を持って この文が使えるようになるために、"I live in here." という文について 説明しておきます。まず、ここで使われている "in" は「前置詞」ではなく、本書では「通常の形容詞 (b)」呼んでいる形容詞です。次の変形をみれば、この "in"は全く正しい 使われ方をしていることが分かります。

        I live happy here.
        I live with my family here.
        I live contented. here.
        I live out here.
        I live up here.
        I live over here.
        I live in here.
       
      また、次のような文も同じ構造をしています。

      • He is back home. ( "back" + "home">
      • He walked up to me.("up" + "to me")
      • The shop is down by the river.("doen" + "by the river")
      • The room is on the 5th floor, down the corridor to the left.("on the 5th floor" + "down the corridor" + "to the left")
      • We live in Japan, in s small town 20 miles west of Osaka.("in Japan" + "in a small town 20 miles west of Japan"


    9. 【主語付き形容詞】

      You insert the paper face up.
      You can do it hands down.
      He is wearing it inside out.

      「主語付き形容詞」という形容詞は実は日本語に非常に多い形容詞です。例えば、「色 が黒い」、「背が高い」、「気分が悪い」、「幅が広い」...と無数に存在します。この 「主語付き形容詞」という概念が分からないまま、日本の言語学者は「彼は背が高い。」や「私は気分が悪い。」のような文の「は」と「が」について議論を続けているようです。「が」は「主語付き形容詞」であることを強調する役割があることは明らかです。「強調」という意味は通常の日本語では「は」や「が」などあ使わないで、「彼背高い。」「私気分悪い。」という文が使われているからです。哲学的な素養のない者がこの「は」と「が」に関して「哲学的」な議論を続けることは見苦しい限りです。日本語では区別されないことも、英語などの外国語を使うことで容易に区別できることがあります(外国語を学ぶ主要な目的の一つに母国語をより客観化してみようとすることである!) 英語をを分析することが、日本語を分析することとは決して同値ではありませんが、少なくとも「" 彼は背が高い。"とか”私は気分が悪い。”を英語で表せばどうなるか?」という疑問が 出てくるはずです。"He is tall." I feel sick."という英語と対照させれば、 英語の場合は「背が」とか「気分」などという主語が付いていないものが多いということにすぐに気付くはずです。「日本語とは日本人にしかそのニュアンスが分からない精緻な言葉である」ということを証明しようとすることを意図しているからか、解明してやろうという気力が全くなく、まず外国語で表してみるという言語分析の基本作業さえ怠ってしまっているようです。

      《主語付き形容詞の起源》

      次の二つの文に対して「重ね合わせ・省略の法則」を適用してみましょう。

        You insert the paper.
        Face is up.

      You insert the paper face up.

      という文ができるのですが、下線部分が目的格補語、つまり形容詞に見えたことによって主語付き形容詞が成立するのです。そして、Face is up.=> face up を見れば分かるようにこの形容詞の作り方は、S+V+C(V="be")から "be"を取り去ればよいのです。例えば、"Nose is long". から "nose-long"(鼻が長い)という意味の「主語付き形容詞」を造ることができるのです。
      また," nose-long"という形容詞は "long of nose"と変換できます。その理由ここで説明しておきます。

        "Nose is long."という文は数学的に表せば、long  nose です。つまり、"long"だけでは"nose"を完全に表したことにはならないのです。 "Nose is not only long but also many other things.ということになるのです。下の図を見れば分かりますが、longはnoseとは同値ではなく、部分集合です。このことを一般的に表すと A=B であるというこ とはBがAの部分集合であるということを意味し、英語で表すとB of Aとなります。



      この、関係を応用した変形は学校文法では説明できていないようです。次の例を挙げておきます。
        You make him happy. => You make happy of him.
        You let him go. => You let go of him.


      下線部分がA=Bの関係になっていることに注意してください。

      《主語付き形容詞の主な例》

        You can do it, hands down. --- C' として
        It's upside down.---- 主格補語
        The tank is full of water.---- 主格補語
        They speak ill of you.-----注)参照
        It's very nice of you.------ 主格補語

      注)They speak you are ill.(実際には使われていない)
        They speak you ill.(実際には使われていない)
        They speak ill of you.(この形だけが使われている)